市民連合ふくおかでは、昨年(2023年)、下関市立大の関野秀明先生に「アベノミクス不況からの脱却~私たちの3つの対案~」と称して講演会をお願いし、
映像とパンフレットを作成しました。下記に掲載しています。
パンフレット「アベノミクス不況からの脱却~私たちの3つの対案~」 | 市民連合ふくおかBlog (conohawing.com)
その対案の一つが「大幅賃上げと中小企業支援」でした。
今回は、そこを深掘り、「全国一律最低賃金1500円は、今すぐ実現できる」と称して、その必要性と可能性を詳しく話していただく内容になりました。
関野先生は、具体的なデータを示しながら、分かりやすく論を展開される方です。
アベノミクスによる円安が止まりません。2022年1月の為替相場は1ドル=115円でした。
食料・衣料、種・肥料・飼料、エネルギー源など様々な品目を輸入している日本は、為替変動だけでも輸入品価格が30~40%上昇しても不思議でない経済状況です。
一方で、実質賃金は下がり続け、庶民の生活困窮は深刻化しています。
最低賃金1500円でも追いつかない経済状況ですが、2024年8月末に決定されるであろう最低賃金は、全国平均が1050円になるかどうかと噂されています。
市民と野党の共闘の物価対策の一つとして、最低賃金を少なくとも全国一律1500円にするよう掲げるためにも、
周囲の皆さまに語れるよう、学習の一助にしていただければと思います。
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学習会の概略(レジュメ添付)
1、アベノミクス「インフレ不況」の実態
2、市民と労働組合が最低賃金引き上げを求める必要性①
低賃金⇒家計消費減退⇒低成長⇒低賃金の悪循環をなくそう。
日本の最低賃金は低すぎる。賃金の長期低迷が日本経済の長期停滞をもたらしている。「低賃金・不安定雇用」は少子化の最大の原因にもなっている。
3、必要性②
1日8時間働いたら普通に暮らせる経済社会を作ろう。
4、必要性③
最低賃金の引き上げは、賃金分布の引き上げにつながる。
全国一律引き上げにより、地域間格差を縮小できる。
日本の労働生産性は米欧に比べて低くないのに雇用者報酬が低い。労働生産性に見合ったものにすべき。
最低賃金が上がっても失業率は増えないことは明らか。
5、最低賃金全国一律1500円を実現するためには、中小企業への直接支援が必要。
中小企業が負担する社会保険料(事業者負担)を7割削減して賃上げ原資をつくろう。
総額5兆円、それは、大企業優遇税制や租税特別措置の見直しで生み出すことができる。
その際に、政権側がよく使う論理が「二重課税なので回避すべきだ」という点だが、その欺瞞に触れる。
6、どのような手続きで地域別最低賃金を引き上げていくのか?
「全国一律制」「中小企業直接支援」には、法改正が必要。とくに、最低賃金法第9条の壁をいかに乗り越えていくのか?
「最低生計費」や「労働協約拡張適用」・「産業別特定最低賃金」などの紹介がありました。
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